新たなガバナンスモデルはどのようなものになり得るか

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The world needs a new model of governanceImage: UNSPLASH/Li An Lim
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  • 社会と自然を最優先に据え、ビジネスや金融の世界を優先するのではなく、それを中心に置く新たなガバナンスモデルが、私たちの世界には不可欠だ。

  • グローバル・ガバナンスには未解決の問題がある。制度も指導者も、もはや本来の役割を果たせていない。

  • 第4次産業革命と気候変動が私たちの暮らしを変え続けるなか、公共部門と企業のガバナンスも変わる必要がある。

新型コロナウイルスのパンデミックが終息すれば、世界には、従来のモデルとはいくつかの根本的な点で異なる新たなガバナンスモデルが必要となる。とりわけ、金融、経済、ビジネスは引き続き極めて重要だが、社会と自然に奉仕すべきであり、その逆であってはならない。

2022年には、新型コロナウイルスのパンデミックと、それが引き起こした数々の危機が、ようやく後退し始めるかもしれない。しかし、最も楽観的なシナリオでさえ、新たな課題の津波が迫っている。気候変動対策の失敗から社会的結束の弱まりまで、さまざまな課題が視界に入っている。これらに対処するには、指導者が異なるガバナンスモデルを採用する必要がある。

グローバル・ガバナンスには未解決の問題がある

制度が適切に運営されているとき、私たちはそれにほとんど注意を払わない。制度は、経済や社会秩序のほぼあらゆる側面を支える、目に見えないインフラにすぎない。そして、20世紀後半の「十分に機能する」ガバナンスが、所得の増加と社会の安定を可能にした。

しかし今日、多くの人々が指導者への信頼を失っている。リスクが高まり、それに対処できない私たちの集団的な失敗を前に、責任を負う者を探し始めている。無能な政治指導者を非難する人もいれば、「ダボス人」と呼ばれるCEOを責める人もいる。また、絶望に追い込まれた少数派が増え、現在の暗い状況の背後にエリートの陰謀を見いだしている。

実情はもっと複雑だ。気候変動や深刻化する社会の分断だけでなく、感染症の再興、債務危機、技術規制の不備といった世界的リスクを予測し管理できなかった根本には、グローバル・ガバナンスの未解決の問題がある。制度も、その指導層も、もはや本来の役割を果たせていない。

ガバナンスの3つのモデル

私たちは歴史を、地震のような大きな出来事の連続として捉えがちだ。しかし、グローバル・ガバナンスの劣化は、主に緩やかな浸食の結果だった。

第二次世界大戦直後のガバナンス1.0の時代、公共部門と企業のガバナンスはいずれも、「一人の支配」に特徴づけられていた。選挙で選ばれたか否かを問わない「強い指導者」と「ボス」である。情報の入手にコストがかかり、階層的な権力と管理が比較的円滑に機能し、技術と経済の進歩がほぼすべての人に利益をもたらす社会では、この種のリーダーシップはうまく機能した。

ガバナンス2.0モデルは1960年代末に登場し、物質的な富を最優先する考えを確立した。それは、経済学者ミルトン・フリードマンの「株主資本主義」の台頭と、世界的な金融化の進展と時を同じくしていた。株主にのみ説明責任を負う新たな経営者層が絶大な権力を握り、その影響力は世界に及んだ。2008年の世界金融危機はガバナンス2.0に大きな打撃を与えたものの、その視野の狭い考え方は新型コロナウイルスのパンデミックが始まるまで優勢であり続けた。

新型コロナウイルスがもたらした過酷な社会的・経済的ショックを機に、ガバナンス3.0が始まった。現在、危機管理が意思決定を支配し、指導者は目の前の対応に集中する一方で、意図せぬ結果の可能性を比較的軽視している。この短期的な試行錯誤のアプローチにより、パンデミックとその社会経済的な余波への対応は場当たり的なものになっている。

ガバナンス4.0はどのようなものになるか

しかし、パンデミックが終息したとき、私たちには新たなガバナンスモデルが必要となる。ガバナンス4.0は、いくつかの根本的な点で従来のモデルとは異なるだろう。

第一に、今日の短期的な危機管理を、長期的な戦略思考に置き換える。パンデミック、社会経済危機、人々のメンタルヘルスといった現在の問題への注力に加え、気候変動への対策、人間活動による生物多様性の損失と環境破壊の回復、望まない移住などの関連する社会課題への対応が必要だ。

第二に、ガバナンス4.0は、過去に優勢だった視野の狭さとトップダウン型のアプローチを改めなければならない。私たちが暮らすのは、断絶の少ない直線的な世界ではなく、きわめて複雑で相互につながった世界だ。それは、社会の各ステークホルダーの役割と責任も変わらなければならないことを意味する。企業はもはや社会や環境への影響を無視できず、政府も自らだけがすべての答えを持っているかのように振る舞うことはできない。

第三に、経済を狭く捉える見方と短期的な金融利益を現在重視する姿勢を終わらせなければならない。その代わり、企業であれ政府であれ、新たなガバナンス制度の中核には社会と自然を最優先する考えを据えるべきだ。金融とビジネスは極めて重要である。しかし、それらは社会と自然に奉仕すべきであり、その逆であってはならない。

指導者は新たなガバナンス時代の先駆者となる必要がある

世界は変化した。公共部門と企業のガバナンスも、それに合わせて変わらなければならない。今日、第4次産業革命や気候変動などの大きな構造変化が、あらゆる産業と権力の中枢を揺るがしている。ブロックチェーンなどの技術は、中央集権的で階層型の組織を、分散型で自律的な主体へと置き換えつつある。そして、社会、経済、デジタルの格差が拡大している。

今のところ、多くの指導者はガバナンス2.0の株主資本主義の考え方にとらわれたままだ。一方、ガバナンス1.0の強権的な指導者と組織構造を今も支持する社会もある。そして、新型コロナウイルスが脅威であり続ける限り、ガバナンス3.0の危機対応型の考え方が、取締役会や閣議での議論を支配し続ける。

しかし、すでに多くの指導者が、新たなガバナンス時代の先駆者として考え、行動している。その中には、環境・社会・ガバナンス(ESG)指標を提唱する企業幹部や、境界を打ち破るフランス大統領エマニュエル・マクロン、イタリア首相マリオ・ドラギのような政治指導者が含まれる。何よりも、若者たちがより良い未来を求めている。

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