地球温暖化を1.5°Cに抑えるための時間は急速に失われつつある。この状況において、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の30%を占める産業の脱炭素化を加速することは、これまで以上に急務である。しかし、排出削減の現状のペースと規模は依然として不十分だ。企業は排出削減策を導入しているものの、賛同の獲得、炭素排出量の算定、バリューチェーン全体での排出削減、グリーンビジネスの成長を妨げる障壁が取り組みの足かせとなっている。
本白書は、企業が公共部門の関係者とより緊密に協力することで、こうした障壁を乗り越え、ネットゼロへの移行を加速する方法を探る。公的な金融メカニズムの活用、炭素排出量の追跡導入の促進、炭素会計基準の調和、バリューチェーン全体でのネットゼロソリューションの実施、気候技術や市場創出への共同投資など、官民協働の8つの機会を示す枠組みを紹介する。60人を超える上級リーダーの知見と11件の世界的な事例研究に裏打ちされたこの枠組みは、民間部門と公共部門の関係者間の対話を構築するための効果的な戦略を示し、脱炭素化を加速する官民協働への参加を目指す企業に実践的なロードマップを提供する。
協働を通じてネットゼロに向けたシステム上の障壁に対処することで、政府と企業はイノベーションを推進し、持続可能な経済成長を促進できる。
