炭素市場は、透明性、アクセシビリティ、公平性、品質の欠如について厳しい批判を受けてきました。企業からの幅広い関心があるにもかかわらず、依然として活用が限定的で、断片化したままです。この批判に加え、効果的で高品質な炭素クレジットへの需要の高まりを受けて、炭素市場の到達範囲、信頼性、拡張性を広げるために新興技術や新たなアプローチを適用しようとする機運が再び高まっています。ただし、取り組むべき重要な課題は依然として残されています。本稿は、暗号資産サステナビリティ連合のブロックチェーン炭素クレジットに関するワーキンググループの成果物です。現在の炭素市場が直面する数多くの課題に対処することを目指し、長期的に環境、社会、経済に前向きな影響をもたらすための野心的な道筋を提案しています。
次世代のデジタル炭素市場を実現するうえで、革新的な技術インフラと社会インフラは同等に重要な役割を果たします。本稿は、分散型台帳技術(DLT)の新たな形態と、炭素市場へのその適用可能性に焦点を当てています。ただし、DLTは、デジタルネイティブな炭素市場を完全に実現するために必要な多くの技術のひとつにすぎません。DLTを用いることで、炭素クレジットをデジタルなエンドツーエンドの環境において、世界で唯一のデータ実体として表現できます。これにより、クレジットの来歴を検証し、二次取引を追跡し、中央集権的な仲介者を介さずに恒久的に無効化(リタイア)することが可能になります。
